6月末は3月決算会社の株主総会が集中しています。僕の会社も政策保有という名の下に多くの会社の株式を保有しており、僕自身も数社の株主総会に出席してきました。
「物言う株主」が増えているとメディアはよく言いますが、大半は旧態依然です。出席した時価総額1兆円以上の企業の総会もその最たる例でした。事業報告、決議事項読み上げが終わった後の質疑応答の中で、一部次のようなやり取りがありました。
株主:株主還元について、配当政策と自社株買いに分けてご説明下さい。
社長:方針は特にありません。ただ、株主様に最大限還元したいと考えております。
株主:自社株買いを実施していますが、なぜあのタイミングだったのですか。背景を教えて下さい。
社長:たまたま絶好のタイミングだったからです。たまたまでした。ただ、株主様に最大限還元したいと考えております。
株主:自社株買いを行った当時より、現時点での方が株価が安いのですが、今後の自社株買いの方針については何かありますか。
社長:何も考えておりません。ただ、株主様に最大限還元したいと考えております。
こんな中途半端、というよりも質問に対して全く答えていない回答でも、決議事項は全て承認可決されてしまうのです。恐らくは総会前の票読みの段階で経営陣は議案を全て通す確信を持っていたのでしょう。社長の態度がそれを物語っていて、質問者が20代後半から30代前半の若者だったことを差し引いても、若干見下したような感がありました。
今年の株主総会ではアデランス、Jパワー、日本ハウズイング、ノーリツ鋼機等が話題に上りましたが、波風立たず、例えばすんなり買収防衛策が可決されたような会社も枚挙に暇がありません。渡英後欧州投資家と直接コミュニケーションを取ることになりますが、彼らの反応が楽しみです。
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